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【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・埼玉】

<熱球譜>「父越え」かけ全力投球 川越工・根岸哲也投手(3年)

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 花咲徳栄打線に、直球勝負を挑み続けた。八回に決め球を左中間に運ばれ、勝ち越しを許したが、川越工の根岸哲也投手(三年)は「やりきりました」と白い歯をみせた。

 川越工のエースで4番。初戦は自身でサヨナラ打を放つなど、投打でチームを引っ張ってきた。弱音を吐けない理由がある。26年前の夏の県大会で同校が準優勝を果たしたとき、エースで4番だったのが父信明さん(44)だった。

 父の背中を追って同校に入ったが、入学以来、「根岸の息子」がついて回った。最後の夏は「父を越えて、自分をアピールしたかった」。

 この日は序盤に2点を失う苦しい立ち上がり。それでも四回裏に女房役の西田勇介主将(同)の同点打で試合は振り出しに戻った。「俺たちの3年間のすべてを託したぞ」。相方の言葉に背中を押され、疲れで右腕が上がらなくなっても、気迫の投球を続けた。

 スタンドには信明さんと母洋子さん(44)の姿があった。洋子さんは高校時代、付き合っていた信明さんの応援に行った。「お父さんのときよりドキドキしたけど、頼もしかった」と声を詰まらせた。

 父には届かなかったが、根岸投手の目標は変わらない。「大学でも野球を続けて、プロになって父を越えたい」 (増田紗苗)

 

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