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【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・埼玉】

<熱球譜>亡き友に誓う 来夏の甲子園 市立川越ナイン

試合中、声を掛け合う小島奨平投手(左)と冨岡央玖斗捕手=県営大宮公園球場で

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 「ゴン、約束守れなくてごめん」。延長戦の末、サヨナラ負けを喫した市立川越ナインは天を仰いだ。今年4月、がんで急逝した2年の権藤光君=当時(16)=の思いを胸に試合に臨んだが、夢は絶たれた。

 「頭が痛い」。昨年8月、練習中に権藤君がうなった。顔は真っ青。検査の結果、脳に腫瘍が見つかり、2度手術した。今年1月には回復し登校もしたが、転移が見つかり再入院。体調が急変し、4月28日に息を引き取った。

 亡くなった数日後、チームの2年生たちは権藤君の自宅で遺体と対面した。一緒に野球をした思い出があふれ出た。「絶対に甲子園に連れて行ってやるから」。みんなで泣きながら、権藤君の前で約束した。

 この日のスタメンは、小島奨平投手と冨岡央玖斗(おくと)捕手の2年生バッテリー。冨岡捕手は盗塁を三つ阻み、先制の適時打も放った。「ゴンちゃんのために勝つ。それしか考えてなかった」

 延長十回、サヨナラ負けし、冨岡捕手はホームベースで立ち尽くした。小島投手は「俺のせいだ」と泣き崩れた。それでも試合後、2年生たちは涙をぬぐい、雪辱を誓った。「来年こそ、ゴンと一緒に甲子園に行く」と。 (増田紗苗)

 

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