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【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・栃木】

<熱球譜>掛け替えない仲間に感謝 那須3年 大盛悠輝主将

4回裏、高久竜弥選手の右前打で二塁から生還する大盛主将=県営球場で

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 四回裏二死二塁、2−3と1点差まで追い上げ、さらに一打同点の場面。「一本出れば本塁を狙う」。そんな思いで、塁上からバッターボックスを見つめた。右方向に鋭い打球が飛び、迷わずスタート。三塁ベースを蹴り、本塁へ滑り込むと、砂ぼこりの向こうで主審が腕を横に開いた。「よっしゃー」。ガッツポーズをし、ベンチにいる九人の仲間と喜びを分かち合った。

 昨夏、三年生が引退すると、部員は工藤竜二(当時二年)、松本拓也(同一年)の両選手との三人だけに。ノックで打球を捕ってもボールを受けてくれる仲間がおらず、ネットに向かって送球する練習を繰り返した。

 「最後の夏は出られないかも」と落ち込んだときもある。それでも「春になれば一年生が入部してくる」と三人で一生懸命練習に励んだ。思いが通じたのか、四月に一年生四人、他の部などから三年生三人が入部し、大会出場の夢がかなった。

 2点を追う九回の打席も四球で出塁したが、併殺でゲームセット。塁審のコールを聞いた瞬間、グラウンドに突っ伏した。「みんなには、これまでついてきてくれてありがとうと言いたい」。そう声を絞り出すと、泥だらけのほほに涙が伝った。 (石井紀代美)

 

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