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【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・栃木】

<熱球譜>もう少し父と野球したかった 宇都宮3年・藤田祐亮選手

監督をする父親と一緒に甲子園を目指した藤田選手

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 「父さんと一緒に甲子園に行きたい」。そんな思いを胸に今大会、グラウンドに立ってきた。ベンチでは、父親の光明さんが見守っていた。

 野球を始めたのは小学生のとき。父親は高校野球の監督だった。「野球を教えてもらいたい。将来は一緒のチームで野球がしたい」と思っていた。

 しかし、教え子の指導に忙しい父親は、キャッチボールに割く時間もなかった。練習試合や大会の応援にも来てくれない。次第に「高校生になったら、父さんのチームに勝って、見返してやろう」と思うようになった。

 高校は父親のいる学校を避けて宇都宮へ入学。それだけに、二年の春、父親が自分の学校へ赴任すると知ったときは驚いた。自分の野球をまったく見てくれなかった父親が、いつもグラウンドで指導する監督に。この一年間、叱られてばかりだったが、教えてもらえることがうれしかった。

 こうして臨んだ今大会、この日は2番センターで出場。第1打席は併殺打、第2、第3打席も内野ゴロに打ち取られ、無安打に終わった。父親からは褒められそうにもない内容。「父さんともう少し長く野球がしたかった」と悔しがった。それでも、父親と甲子園を目指せたのは最高の思い出だ。光明さんも「三年間よく頑張った」とねぎらった。 (石井紀代美)

 

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