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【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・栃木】

<熱球譜>延長13回 熱投172球 山市 純平 投手(小山3年)

エースの重圧と戦いながらベストピッチングを披露した山市投手=県営球場で

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 相手の膝元に次々と直球や変化球が決まり、打者はフライを打ち上げてはうつむいて一塁に向かう。この試合、何度も同じ場面が繰り返された。

 自身もチームも春の県大会敗退を機に調子を崩し、その後の練習試合では連敗続き。2死を取ってから四球を与える、エラーで出塁を許した後の抑えるべき場面を抑えられない。「俺がリズムを悪くしてるんじゃないか」と自分を責めた。

 悩みながら迎えた今大会。試合前夜は「自分の出来次第で勝敗が決まる」と思うと眠れなくなった。それでも「これで最後なんだぞ」と自分に言い聞かせて1、2回戦を踏ん張った。

 この日は「春先から一番」と言うほどの出来。八回まで相手打線を3安打に抑え、凡打の山を築いた。しかし、初めての経験となる延長十三回、左手の握力が弱っているのを感じながら投げた4球目。低めに狙ったスライダーが高めに浮き、決勝打を許した。

 試合後は172球を投げた疲れも涙も見せず、「3年間で今日が一番面白かった」と振り返った。そこには苦しみを突き抜け、何かを吹っ切ったような笑顔があった。 (石井紀代美)

 

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