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【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・栃木】

<熱球譜>3塁コーチで大貢献 木島亮祥選手(文星芸大付3年)

甲子園を目指し、三塁コーチャーボックスから指示を送る木島選手=県営球場で

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 最後の打者が打ち取られるのを三塁コーチャーボックスから見ていた。泣き崩れる仲間のところに左膝にサポーターを着けた脚で駆け付け、「よく頑張った」と背中をたたいて回った。

 昨秋の県大会は1番打者で三塁手。ところが、五月の練習試合で転倒し、左ひざ靱帯(じんたい)を断裂。完治まで半年と告げられ、目の前が真っ暗になった。

 そんな時、星野英雄監督は「試合に出なくてもチームに貢献できる選手になってほしい」とコーチャーに命じた。正直、心の中は悔しさでいっぱい。しかし、いつも試合前に「木島を甲子園に連れて行くぞ」と声を掛け合う仲間の姿に、「自分もチームのために」と思えるようになった。

 走者の足の速さや相手の守備位置など、いつもあらゆる情報を頭にたたき込んで指示を送っている。この日も四回裏、何としても点差を縮めたい場面で思い切ってゴーサインを出し、一塁走者を一気にホームへ。待望の得点に喜ぶ仲間の姿を見て、心の底からうれしさを感じた。

 試合後、おえつしながら「甲子園に連れて行けなくて悪い」と謝ってくる仲間たち。「ここまで来られたのは、おまえたちのおかげだ」と逆に感謝した。今、一つだけ願いがかなうなら−。「けがの完治より、この仲間ともう少し野球をさせてほしい」 (石井紀代美)

 

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