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【第93回全国高校野球選手権大会(2011)・栃木】

<ヒーロー>背中で仲間引っ張り続け 板崎 直人主将(作新学院3年)

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 セカンドの守備位置から、試合終了を意味する27個目のアウトとなるボールが右翼手のグラブに収まるのをしっかりと見届けた。マウンド上では喜びを爆発させる仲間たち。少し遅れて走って向かう途中、これまでの苦労と喜びが胸の中に去来した。

 昨年秋の現チーム結成時、小針監督から「史上最高に弱い」と称された。常に勝つことが期待されるチームなのに、主将に任命され、「プレッシャーを感じた」と振り返る。

 今年春の県大会前後はチームの状態がバラバラ。三年生と下級生の間に一球に懸ける思いの温度差があった。一人で背負い込み、練習後、たびたびベンチの隅で頭を抱えた。それでも、グラウンドに立てば、やるしかない。口数は少ないが、いつもボールを追いかけ泥だらけになったユニホームでチームを鼓舞してきた。

 「今回も背中で引っ張っていこう」。そんな気持ちで挑んだ最後の夏、準決勝までは打率5割の活躍。この日、4点リードで迎えた五回表、先頭打者として打席に。二塁打を放ち、追撃の手を緩めなかった。

 終わってみれば、決勝戦としては大会記録となる17点を挙げる圧勝。「正直ほっとしました」。“常勝”と“史上最弱”を同時に背負ってきたプレッシャーから解放された表情には、試合中の険しさから一転、高校生のあどけない笑みが浮かんでいた。 (石井紀代美)

 

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