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【第94回全国高校野球選手権大会(2012)・東東京】

<熱球譜>活躍託された「Bチームの星」 日大豊山3年 小寺京佑投手

3回に登板し力投する日大豊山・小寺投手=神宮球場で

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 長らく補欠だった苦労人が、総崩れしかけたチームを支える。7点を先行された三回に登板すると、低めの変化球をコントロール良く投げ込み、七回まで無得点に抑えた。

 中学時代から大会直前まで補欠だった。高校二年の春に内野手から投手に転向したが、言い渡されたのはバッティングピッチャー。三年の夏も「ベンチ入りはないな」と思いつつ、くさらずに一日100球以上を投げ込んできた。

 横投げから繰り出す速球は120キロそこそこ。相手を抑え込む球威はないものの、低めを突く制球力には自信がある。福島光敏監督に努力を買われ、七月に背番号19をもらった。補欠を指すBチームの仲間から「Bチームの星」と呼ばれ、活躍を託される。

 劣勢での登板に「やるしかない」と腹を決めた。変化球でかわす投球は神経をすり減らしていく。苦しい時、何度も帽子のつばの裏を見た。自分で書いた「ど根性」「Bチーム」の文字。ナインだけじゃない。補欠の仲間も心を支えてくれている。

 調子は良かった。だが、八回にスライダーをスタンドへ放り込まれ、力尽きた。試合直後、やはり涙があふれた。でも悔いはない。「やりきった」。帽子を握り締め、仲間たちの元へ走り寄った。(大平樹)

 

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