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【第94回全国高校野球選手権大会(2012)・東東京】

<熱球譜>1球のミス かすむ夢舞台 帝京3年・渡辺隆太郎投手

帝京−国士舘 力投した帝京の渡辺投手

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 また打たれてしまった。試合後のベンチ裏でアイシングを受けながら、きつくギュッと結んだ唇がその悔しさを語っていた。

 七回裏無死満塁。バント処理を焦って広げたピンチだった。打席の国士舘・西川直人投手に対し、石川亮捕手のサインは真っすぐ。自分の思いとも合っていた。

 昨夏の甲子園で、九回に逆転満塁本塁打を浴びて敗れた。苦い思い出を払拭(ふっしょく)すべく、投げ込みを続けてきた。

 カウント2ボール2ストライクから選択した球は、やはり真っすぐ。三振をとりにいった。が、真ん中に甘く入った。打球はライト前に落ち、均衡が崩れた。夢の舞台がかげろうのようにかすんでいく。本塁のカバーからマウンドに戻る足どりは重く見えた。

 また1球の怖さを知った。「不完全燃焼でした」。球場の外へ続く通路ではき出した。投打に非凡なプロ注目の選手は「先のことはまだ考えられない」という。ただ、目にはまだ力があった。 (鈴木学)

 

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