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【第94回全国高校野球選手権大会(2012)・茨城】

<熱球譜>思い届けた“大きな声” 笠間・笹嶋光明主将(3年)

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 「間に合ってくれ」。祈るような気持ちで一塁ベースに全力でヘッドスライディング。しかし、アウトを告げられ、ゲームセット。その瞬間、応援してくれた人たちの顔が頭をよぎった。

 一年の夏の大会後、中心だった三年生が抜け、部員は9人を割った。練習試合もできず、失望した部員は去り、2人になったことも。「このまま続けても意味があるのかな」。他校に進んだ中学時代のチームメートが毎日厳しい練習を積んでいると聞くたびに置いていかれる気がした。

 それでも大きな声を出して、グラウンドを走った。そんな姿に学校の先生や友人は「よく頑張っているね」「必ずチームで試合に出られるから」と励ました。自信につながり、グラウンドで出す声はさらに大きくなった。

 思いを感じた部員たちは戻り、新入部員も加わり、今年は出場できる人数がそろった。練習するごとにチームが仕上がっていくことがうれしかった。

 試合に負けたが力を出し切れた。涙に震える声を張り上げて「ありがとうございました」。大きな声は球場に響き渡った。 (小沢慧一)

 

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