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【第94回全国高校野球選手権大会(2012)・西東京】

<熱球譜>705球 夏終わる 磯崎 紀大投手(佼成学園3年)

敗れたものの見事な投球を見せた磯崎投手

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 八回から守りについた右翼で、必死に打球を追う。頭上を越す白球にグラブを出すのもあきらめた。甲子園まであと1人というところで、試合をひっくり返された。今大会50イニング、705球を投げ抜いた背番号「10」の夏は終わった。

 エースナンバー「1」だった昨秋の都大会は「自分で決める」との思いが空回り。「信頼できるバックがいる」と気持ちを切り替え、打たせて取る投球術を身につけた。冬には一日二百球を投げ込みスタミナに自信もあった。

 今大会のエースは今井力基投手(三年)に決まったが、開幕直前に練習中に右ひざを負傷した。「背番号1も10も関係ない。今井の分まで頑張ってやる」。覚悟を決めた。

 この日は日大三の強力打線に凡打の山を築かせるだけでなく、自ら先制打も放った。疲れの出た八回、渡辺弘輝投手(一年)に今大会で初めてマウンドを譲った。

 「投げ切れたことは自信になった。相手をたたえたい」。敗戦後も、晴れ晴れとした表情を崩さなかった。しかし、「今井と二人で甲子園で投げたかった」と口にした瞬間、涙があふれた。 (大平樹)

 

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