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【第95回全国高校野球選手権大会(2013)・茨城】

<ヒーロー>常総学院3年・内田靖人選手 「自分が決める」右へ

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 同点で迎えた九回裏2死一塁。風は右翼席へと吹いていた。

 「水戸市民球場は右寄りの風が吹く。右打者は流せ、左打者は引っ張れ」。木内幸男前監督(82)時代からチームに伝わる格言は、思い出すまでもなく体に染み付いている。

 「自分が決める」と意識して打席に入った。ボール2球とファウルの後の4球目。狙っていた変化球でなく、高めの直球だったが「体がうまく反応した」。力みなく振り抜くと、打球はぐんぐん伸び、右翼席に吸い込まれていく。

 球場に地鳴りのような歓声が響き渡る。歓喜の渦の中心で、大きく拳を振り上げた。今大会最多の4本塁打、通算33号は甲子園を決める人生初のサヨナラ弾となった。

 しかも、数本しかない右方向への本塁打。「下半身をうまく使ったスイングで、飛距離が伸びるようになった」。今春のセンバツで初戦敗退して以来、特に力を注いだ打撃練習が実を結んだ。

 迷いの末の一打でもあった。昨冬に会得したノーステップ打法が不調に陥り、春以降は足を上げたり、上げなかったりの繰り返し。佐々木力監督から「打撃フォームは一生追求するもの」と諭され、もがく中で、足を上げて重心を残す打法をつかみつつある。

 「狙えば力む。力まず、自分のバッティングをしたい」。迷いを断ち切ったフルスイングで、甲子園を沸かせる日はすぐそこだ。(妹尾聡太)

 

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