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【第95回全国高校野球選手権大会(2013)・栃木】

<熱球譜>2番手の「エース」 雨と涙の力投 宇都宮商・飯岡健太投手(3年)

雨の中、力投する飯岡投手。新井投手とは普段から仲がいい

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 最速147キロを誇る大会屈指のエースが、7点のリードを許していた。それでも思った。「まだいける」。鉛色の空がぐずつき出した四回裏。先発の新井諒投手からマウンドを引き継ぐと、雨を散らして腕を振り続けた。

 中学のころからピッチャーだった。安定感が身に付き、伸びたのは高校に入ってからだ。一時はエースナンバーも背負った。投手に転向した、新井投手に奪われるまでは。

 「正直、悔しかった」。だからこそ、内角や低めを厳しく攻める自分の投球を磨いてきた。速球で注目を浴びやすいエースだけでなく、「自分もここにいる」とマウンドで示したかった。

 強力な佐野日大打線にも、秘めた闘争心はひるまなかった。しかし、自信のある球も外野に抜けた。「どこに投げても当てられた。相手の技術が上だった」。3点を失い、考えもしなかったコールド負けを喫した。雨と一緒に涙をぬぐった。

 試合後、新井投手から「悪かった」と声を掛けられた。「抑えられなくてごめん」。そう応えた。新井投手は、互いに認め、高め合う最も身近なライバルだった。どちらもが、チームの「エース」だった。(内田淳二)

 

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