東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 高校野球大会・首都圏 > 97回大会 > 千葉 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【第97回全国高校野球選手権大会(2015)・千葉】

<ヒーロー>拓大紅陵3年 鈴木 寿希也選手 「俺が4番」勝利導く本塁打

写真

 「俺が4番だ。ここで打ってチームを盛り上げる」。三回2死一、三塁。初球、相手投手のスライダーが高めに抜けた。「行ける」と振り抜いた打球はたかだかと上がり、左翼スタンドに吸い込まれた。チームを勝利に導く3点本塁打。ダイヤモンドを一周後、次打者に抱きついて喜びを爆発させた。

 監督の指示は「ベルト付近の球を狙え」だった。本塁打を放った打席も直前までベルト付近が意識にあった。初球は高めにきたが「失投だったので、逃すかと体が自然に反応した」と振り返る。地道な素振りの成果が出た。

 一年生の秋から4番に座ったが、当初は緊張から結果が出なかった。日ごろの練習や試合で「4番である自分」を意識、徐々に緊張から解放され結果も出た。ことし春の県大会8強入りにも貢献した。

 だが直後から不調になり、練習試合で凡退を繰り返した。監督から「他の選手に4番を任せるか」と厳しい言葉も飛んだ。「嫌だ」。一時は重圧でもあった4番は守るべき自分のポジションに変わっていた。

 「まだ緊張している。自然体なら打てる」。不調の原因を分析し、素振りで解決しようと考えた。ただ振るのでなく、1本ごとにさまざまな投手や状況を想定した。結果、本来のスイングを取り戻した。

 今大会では3回戦の国分戦でも本塁打を放つなど打撃が好調。「野球がとても楽しい」と笑顔をみせる。一方「きょうは3打席目で犠打を失敗した。結果は安打だったが、チームに迷惑をかけてしまった」と満足はしていない。

 チームを救うのが4番と信じるからこそ、悔しさをにじませた。「4番の重圧はもうない。自然体で楽しみ、みんなと勝ち続ける」と次戦を見据えた。 (渡辺陽太郎)

 

この記事を印刷する

PR情報