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【第97回全国高校野球選手権大会(2015)・西東京】

<熱球譜>甲子園出場の夢、ライバルに託す 都立日野3年・鈴木貴大主将

8回表、日野無死一塁、中前打を放ちガッツポーズする鈴木選手

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 4点差をはねのけ、逆に1点をリードした直後の八回裏。相手打線に同点に追い付かれ、3番打者清宮幸太郎選手に二塁打を浴びて逆転を許した。さらに1死二、三塁のピンチで迎えたのは、4番で主将の加藤雅樹選手。「歩かせろ」。それがベンチからの指示だった。

 しかし、外に構えたミットよりも、初球がわずかに内側へ。見逃さずに外野にはじき返されたボールは中犠飛となり、1点を追加されてしまった。

 嶋田雅之監督から「加藤選手に勝てば甲子園に行ける」と年明けに言われて以来、ライバルとして意識してきた。お互い、捕手として一年生からベンチ入りし、主将を務めている共通点もあった。

 身長は10センチ低いが体格で負けまいと、弁当のほかにおにぎりを五個持って登校し、休み時間と練習後に食べた。身長175センチ、体重は78キロになり、高校に入って最も少ない時と比べて16キロ増やした。

 朝の練習はいつも一番乗りで無欠席。野球への真摯(しんし)な姿勢で仲間を引っ張った。この日は、苦しい展開の中でも「1点ずつ取り返していく。絶対あきらめるな」と呼び掛け、九回にも同点に追い付く粘りを見せた。

 加藤選手の打席では3四死球を与えてしまった。「存在感で負けた」とも思う。試合後、互いに健闘をたたえるように肩をたたき合った。甲子園出場の夢はライバルに託した。 (小形佳奈)

 

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