東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 高校野球大会・首都圏 > 97回大会 > 埼玉 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【第97回全国高校野球選手権大会(2015)・埼玉】

<熱球譜>気持ちもプレーもOB父越え 熊谷商3年 水野 昌人(まさと)選手

写真

 父の俊也さん(44)も熊谷商の野球部員だった。その父は三年のときに夏の大会で5回戦に進んだが、サヨナラ負けを喫した。「必ずおやじを越えて、甲子園に行く」。俊也さんにそう誓って熊谷商に入学し、同じ5回戦の舞台に立った。しかし、約束を果たすことはできなかった。

 小学生のときから熊谷商のグラウンドに通った。俊也さんは当時からずっと野球部のコーチを務めており、野球を教える父の背中を見て育った。熊谷商の野球部に入ると、学校のグラウンドで毎朝、チームの仲間たちと俊也さんのノックを受けてきた。

 今大会はノーシードから勝ち上がり、この日は強豪・聖望学園との対戦になった。1−2で迎えた八回、2死一、三塁の場面。長打が出れば逆転のチャンスで打席が回ってきたが、外角を外れた直球に手を出し、空振り三振に倒れた。チームは追加点を奪えず、それが最後の打席になった。

 試合が終わると、目に浮かぶ涙を拭いながら「悔しい」とつぶいた。「今の自分があるのは、おやじのおかげです」とも。そんな息子を球場で見守った俊也さんは「気持ちでもプレーでも俺を越えた」とたたえた。 (井上真典)

 

この記事を印刷する

PR情報