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【第98回全国高校野球選手権大会(2016)・埼玉】

<熱球譜>初球振り抜き見せた意地 聖望学園3年・大野亮太選手

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 最終回、2人が凡打に倒れ、後がなくなった。「まだ試合は終わっていない。技術どうこうより、塁に出て流れを変えてやる」。感情が高ぶって涙が流れた。しかし、打席では冷静だった。

 初球、待っていた直球が真ん中低めに来た。バットを思い切り振り抜くと、芯で捕らえた打球は中堅手を超え、フェンスを直撃。「あまり速くない」という足で必死に三塁に滑り込み、右腕を突き上げて喜びを爆発させた。一塁側の聖望学園の応援席はこの日一番の盛り上がりを見せた。

 身長175センチながら、体重は入学時から11キロ増やして83キロ。どっしり構えて相手投手を威圧するや、狙ったボールは初球からフルスイングで打ち抜くスラッガー。高校通算本塁打は31本に上る。

 昨冬以降、6キロのハンマーで1日200回、タイヤをたたき、腕力や下半身を鍛えるトレーニングを積んだ。その成果で「打球の伸びや質が変わった」。二十六日の準決勝では、初回に今大会3本目となる2点本塁打を放った。岡本幹成監督は「どこで負けてもおかしくなかった。大野を中心に何とかチームをまとめてよく決勝まで来てくれた」と目を細めた。

 この日の最終回は、後続が倒れ、帽子のつばに書いた「甲子園」には届かなかった。「上の世界にはいい投手がいる。自分のレベルの低さを実感した」と悔しがったが、プロ注目の好投手を相手に、意地を見せた一打は鮮烈な印象を残した。 (冨江直樹)

 

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