東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 高校野球大会・首都圏 > 98回大会 > 埼玉 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【第98回全国高校野球選手権大会(2016)・埼玉】

<ヒーロー>4番「つなぎ」打線躍動 花咲徳栄2年・西川愛也選手

写真

 今春のセンバツでも4番を任された、チームの主軸。だが高校通算本塁打はわずか3本で、公式戦での柵越えは一度もない。

 そんな「つなぎの4番」が初回、2死二塁で打席を迎えた。意識したのはやはり「つなぎ」。しかし、内角低めの直球を振り抜くと、打球はぐんぐん伸び、右翼スタンドで跳ねた。公式戦第1号は、2年連続の甲子園をぐっとたぐり寄せる値千金の一打。慣れないダイヤモンド1周に思わず笑顔を咲かせた。

 今大会前は不安と焦りしかなかった。春の県大会決勝で、左翼から遊撃手に返球した瞬間、右大胸筋が断裂した。全治3カ月の大けが。キャッチボールはもちろん、バットも振れなくなった。

 それでも夏に向けて努力を重ねた。筋力トレーニングで下半身を鍛え、打撃の感覚が鈍らないよう、打席に立ってマシンが放つ球にタイミングを合わせる練習を繰り返した。

 六月下旬にようやくバットが振れるようになってからは、自分を追い込んだ。目標回数は設けず、「毎日、握力がなくなるまで振る」。一振りもできなくなるころには、午後10時を回っていた。ケガというピンチをプラスに変え、鋭いスイングを取り戻した。

 中軸もバントを決め、塁に出れば相手のスキを付く走塁。「主砲」はいなくても、どこからでも得点できる花咲徳栄打線の4番として、堂々返り咲いた。「本塁打はヒットの延長。甲子園でも狙わない」。揺るぎない「つなぎ」の意識を、夢舞台でも存分に発揮するつもりだ。 (西川正志)

 

この記事を印刷する

PR情報