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【社会】

消える昭和の国鉄車両 JR東8.7%のみ 185系引退へ

 昭和時代に旧国鉄が製造した車両がJR各社から相次ぎ引退している。老朽化し、故障も起こりがちなのが敬遠され、省エネルギーで運行コストも低減できる新型車両に置き換えているためだ。今年3月末時点でJR東日本の国鉄製旅客用車両は在来線車両のうち8.7%にとどまり、JR東海は国鉄製が計8両だけと風前のともしびだ。

 両社と西日本、九州のJR上場四社は二〇一九年三月期連結売上高がいずれも過去最高となり、業績堅調を追い風に車両新造を含めた設備投資を活発化させている事情もある。一九八七年の国鉄分割民営化から三十二年余り経過し、鉄道愛好家からは趣がある国鉄製車両の引退を惜しむ声も多い。

 JR東海の国鉄製は関西線の普通列車などで走ってきたステンレス製電車211系だけ。関係者は「具体的な引退時期は決まっていない」と話すが、同社が先陣を切って国鉄製から全て“卒業”するのは確実な情勢だ。

 JR東日本は八一年に登場し、東京と静岡県・伊豆半島を結ぶ特急「踊り子」で走る185系を二一年までに別の車両に交換し、全て引退させる方針だ。乗客が多い普通列車としても運用できるように、扉があるデッキ部分を広くしているのが特色だ。一方、主に東北地方の非電化路線に残る七七年登場のディーゼルエンジンを搭載した気動車キハ40も順次退く。

 大阪市中心部を周回するJR西日本の大阪環状線では今月七日、車体全体をオレンジ色に塗った電車201系が営業運転を終えた。以前の形式を含めてオレンジ色の電車が六一年の全線開業から駆けてきただけに「親しみがある塗装の電車が見られなくなったのは寂しい」(大阪市の会社員)との声が漏れる。

 和歌山と王寺(奈良県)を結ぶ和歌山線と、奈良県内の桜井線では新型電車の導入が今年三月に始まり、両線の国鉄製車両が来年春までに全て消える予定だ。置き換え対象となる国鉄製の105系は、車内に扇風機があるなど昭和時代の通勤電車の雰囲気が残る。

 JR九州も今年三月のダイヤ改正を機に福岡県の香椎線で活躍してきた気動車キハ40とキハ47を全て引退させ、最新の蓄電池電車に切り替えた。

 同社だけに在籍し、長崎県内の大村線などを走る七四〜七五年製の気動車キハ66・67も数年以内に消える見通し。青柳俊彦社長は「これからは気動車の置き換えが主流になる。(新車両への交換で)維持費の削減もできる」との経営方針を示している。

(東京新聞)

JR東日本が特急「踊り子」から引退させる方針の185系=2017年4月、横浜市で

JR東日本が特急「踊り子」から引退させる方針の185系=2017年4月、横浜市で
 

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