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【社会】

日焼け止め、OK?NG? 学校プール授業 分かれる対応

 学校でのプールの授業が今年も始まった。5〜8月は最も紫外線が強く、対策の重要性が指摘されて久しいが、中には日焼け止めクリームの使用を禁じる学校がある。「水が汚れる」「指導に手間がかかる」などが理由で、保護者からは疑問の声が上がる。一方で、申し出があれば認めたり、黙認しているケースも。なぜ対応が分かれるのだろう。 (今川綾音)

 「日焼け止めクリームの使用はご遠慮ください。(水質に影響があります。)」

 五月半ば。埼玉県ふじみ野市立亀久保小に子どもが通う四十代の女性は、学校のプリントに驚いた。「今どき、日焼け止め禁止ってどういうこと?」

 同市教育委員会は取材に「水の汚れの原因になる。何でもどうぞ、とはいかない」と説明。亀久保小の村越澄子校長は「子どもの健康が優先なので個別対応はする」とするが、その「個別対応」はプリントに明記していない。指摘すると、「(文言について)保護者が禁止ととらえるのは分かるので、今後は見直していきたい」と述べるにとどまった。

 日本医師会や校長会などでつくる公益財団法人・日本学校保健会(東京都)の二〇一五年の調査では、日焼け止めを認めない学校の割合は小・中学校が約三割で、高校は約五割。同会は一六年、学校プールのマニュアルに「耐水性なら水質は汚濁されない。必要な時には使用を許可しましょう」と盛り込んだ。

 皮膚科医で、子どもの健康問題に詳しい島田辰彦さんは「子どもの頃から大量に紫外線を浴び続けると、皮膚の老化を早め、皮膚がんを起こしやすくなる。耐水性のある日焼け止めなら水質への影響もない」と訴える。だが、今も学校現場の対応はまちまちだ。

 川崎市立宿河原小は昨年度までは明文化していなかったが、本年度は「使うなら耐水性を自宅で塗ってくること」と保護者に通知した。猊倉(ししくら)正樹校長は「耐水性に限定し、気持ちよく入れるようにとの判断」と話す。

 黙認状態の学校もある。埼玉県内の公立小の四十代女性教諭は「建前は禁止だが、塗っている子が多いのが実情。私自身、全身に塗りたくっている」と打ち明ける。

 「使用OK」と周知せず、申し出があれば認める消極的な運用が目立つ背景には、教員の負担増は避けたいというジレンマも見え隠れする。

 国も具体的な指針を出していない。

 育児雑誌編集者で長年小学校教員を務める岡崎勝さん(66)は「子どもの健康を考えると日焼け止めは許可していくしかない」とする。「いつ、どのぐらい塗るかを教員が子どもたちに指導するのは非常に手間がかかる。家庭の協力を得るなど学校が対応を工夫し、教育委員会も判断材料を提供すべきだ」

(東京新聞)

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