東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

米、核弾頭数の開示拒否 オバマ前政権方針を転換

 トランプ米政権が今年四月、シンクタンク「全米科学者連盟(FAS)」が行った米国が保有する核弾頭数などに関する情報公開請求を拒否していたことが分かった。オバマ前政権は二〇一〇年に保有核弾頭数などを公表し、以降はFASの請求に応じる形で毎年情報を開示してきた。核戦力を重視するトランプ政権の姿勢が改めて鮮明になった。

 FASの報告書などによると、FASは昨年十月、エネルギー省に対し、昨年九月末時点の保有核弾頭数と解体核弾頭数に関する情報の公開を求めた。

 これに対し同省は今年四月、国防総省が慎重に検討した結果「機密指定を解除できない」と書面で通知。理由は明らかにしなかった。

 FASの核専門家ハンス・クリステンセン氏は今回の国防総省の判断について、トランプ政権が昨年二月に公表した小型核の開発などを盛り込んだ「核体制の見直し(NPR)」が影響した可能性があると分析する。

 米政府は核軍備を国家機密としており、オバマ前政権の公表は「極めて異例」とされた。背景には、米国が核軍縮に取り組む姿勢を示し、中国などの核保有国に情報公開を促す意図があった。

 トランプ政権も一度はFASの情報公開請求に応じ、一七年九月末時点で、解体予定分などを除く保有核弾頭数は前年同期より百九十六発少ない三千八百二十二発で、同月末までの一年間に三百五十四発を解体したと明らかにした。

 クリステンセン氏は、トランプ政権が非開示に転じたことで「ロシアと中国が核情報の透明性向上に向けた議論に加わるきっかけが失われた」と批判。核保有国の相互不信が高まり、核軍縮の取り組みが停滞するとの懸念を示した。

◆指導的立場を放棄

<長崎大の鈴木達治郎教授(核軍縮・不拡散政策)の話> 米政府がこれまで明らかにしてきた核弾頭の数を非開示としたことは、軍縮で重要な関係国からの信頼を得るよりも、手の内を伏せて勝負に勝つことに重きを置くトランプ大統領の考え方が表れている。核保有国は多大な影響力があり、世界に対して政策の説明責任を負う。米国の情報開示は核保有国のリーダーとして規範を示す意義があったが、こうした指導的立場を放棄したと言える。

(東京新聞)

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報