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【社会】

千葉、台風被害続く 猛暑の停電で疲弊

 台風15号の直撃で大きな被害を受けた首都圏では、十日も千葉県を中心に停電や断水などライフラインへの影響が続いた。同県によると、同日午後に南房総市で女性(93)、市原市で男性(65)がいずれも自宅で倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。二人とも熱中症の疑いがあり、自宅は停電していたという。

 気象庁によると、南房総市に隣接する鴨川市は最高気温が今年最も暑い三五・五度の猛暑日となるなど、県内各地で高温を記録していた。

 千葉県は十日、県内全域で断水世帯が八万四千軒に上ると発表。東京電力によると首都圏では十一日午前零時二十分現在、千葉県で五十一万軒、神奈川県で九千六百軒など六都県で計五十二万五千軒が停電。千葉県は君津市内で送電線の鉄塔が倒壊した影響が大きく、東電は同日中の全面復旧を目指すとしている。

 千葉、神奈川両県は自衛隊に災害派遣を要請した。自衛隊は千葉県で断水している東金市など十市町に給水車を出した。神奈川県鎌倉市では、停電復旧作業の妨げとなっている倒木や土砂の除去作業に取り組む。

 首都圏各地を結ぶ京成線とJR成田線の運休で多くの利用者が足止めされた成田空港では、両線が十日午前に運転を再開し、混雑は解消した。

◆病院や避難所「早く電気を」

 千葉県内の医療機関や避難所では、厳しい暑さの中、電気や水がない厳しい生活を強いられている患者や避難者も多く、熱中症の危険性が高まっている。インフラ機能の停止で、行政も有効な対策を取ることができないでいる。

 県内の災害拠点病院のうち、停電のため自家発電装置で対応している千葉県循環器病センター(市原市)と君津中央病院(木更津市)に対し、県は自家発電装置の燃料を供給するなど支援。また、君津市内の別の民間病院は、患者九十九人を県内外に転院させた。

 約百人の入院患者がいる県循環器病センターでは、自家発電装置で人工呼吸器や人工透析器、診療室の照明など必要最低限の電気を補う。廊下や病室は日中でも薄暗い。節電のためエアコンは稼働しておらず、蒸し暑さで短時間で汗がにじんだ。患者にとって過酷な環境で、医師や看護師らが「体調はどうですか」と頻繁に病室を回っていた。

 月に十数回、人工透析を受ける宗延(むねのぶ)一美さん(78)は電気を節約するため、一日分の治療を前日と二回に分けて受けた。「停電と聞いた時は治療を諦めようかと思った。今も不安だらけ」と困惑する。同センターの村山博和病院長は「機能が完全にまひする前に一刻も早く復旧してほしい」と話す。

 市内の広範囲が停電、断水した君津市は、公民館など市内八カ所に避難所を開設。電気が通っていないためエアコンは作動せず、避難者の多くは後片付けのために日中、自宅に戻った。広い部屋に大型扇風機一台でしのぐ状況に、避難者からは「体力的にきつい」と悲鳴が上がる。市は避難者にクッキーや水を配ったが、市は「電気がなく、熱中症対策まで手が回らない」と話す。

 市の給水車が各避難所を訪れた。市内の女性会社員(52)は「お風呂に入れないのがつらい。早く電気を通してほしい」と訴えた。 (丸山将吾、山田雄一郎)

(東京新聞)

停電で照明が使えず薄暗い院内。患者は自家発電による電気で人工透析を受けている=10日、千葉県市原市の県循環器病センターで(丸山将吾撮影)

停電で照明が使えず薄暗い院内。患者は自家発電による電気で人工透析を受けている=10日、千葉県市原市の県循環器病センターで(丸山将吾撮影)
 

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