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【社会】

<新型コロナ>休校解除 地域ごと容認 大規模イベント「慎重に」

 新型コロナウイルスの拡大防止策を検討する政府の専門家会議(座長・脇田隆字国立感染症研究所長)は十九日、大規模イベントの開催に慎重な対応を求める一方で、感染が確認されていない地域では学校での活動を行ってよいとする新たな見解をまとめた。国内の現状に関しては、どこで感染したか分からない感染者が増えていることに「(欧州で起きているような)オーバーシュート(爆発的患者急増)を起こしかねない」と懸念を示し、対策強化を求めた。

 政府は見解を踏まえて、これまでに出した大規模なイベントの自粛要請や学校休校を継続するかどうか判断する。萩生田光一文部科学相は小中学校、高校などの再開を自治体が判断する際の目安を、来週の早い段階で示す考えを示している。

 見解は現状について、都市部を中心に感染者数が徐々に増加し、どこで感染したのかが分からない人が増えている地域があると分析。爆発的な感染拡大を防ぐために(1)感染が拡大しやすい人混み(2)換気の悪い密閉空間(3)近い距離で会話する環境−の三つの条件がそろった場所を徹底して避けるよう訴えた。クラスター(感染者の集団)を早く見つけて対策に当たる人員や予算の拡充も求めた。

 対策は地域の状況に応じて考えるべきだとしており、感染が拡大している地域では「独自のメッセージやアラートの発出、一律自粛の必要性について適切に検討する必要がある」とした。休校も一つの選択肢になる。一方で、感染が確認されていない地域では、十分な対策を取った上で学校活動やスポーツ、文化施設の利用を行ってよいとしている。

 不特定多数の人が集まる大規模イベントは、集団感染を起こして感染者を各地に広げる恐れがあるため「引き続き慎重な対応が求められる」と提言した。

 感染のさらなる拡大に備えて、症状がない患者や軽症者は自宅療養してもらい、重症患者が十分な入院治療を受けられる態勢づくりを進める必要があるとした。二月に感染が広がった北海道については、知事による独自の緊急事態宣言以降は一定程度、増加を抑えられているとの見解を示した。

◆続く警戒 爆発的拡大を懸念

 専門家会議は当初、イベントの自粛や学校の休校の緩和を容認する原案をまとめていた。だが尾身茂副座長(地域医療機能推進機構理事長)は終了後の記者会見で欧州の状況などに触れ、「ある日突然、爆発的に感染が広がり、医療の提供ができなくなる可能性がある」と強調。引き続き安易な再開は控えるべきだと警鐘を鳴らす提言となった。

 現在の国内全般の感染状況を、尾身さんは「(患者の増加が収まりつつある)北海道を除き、都市部を中心に漸増している」と分析。特に福祉施設で集団感染したケースがあることに触れ、「高齢者にも感染が増えていることを示している」と警戒した。「感染源が分からないものも増えている」と続け、これらが導火線となって「爆発的な増加になりかねない状況が続いている」と懸念した。

 症例を厚生労働省と分析している西浦博・北海道大教授(感染症疫学)も会見に同席し「いったん、患者があふれると目を覆いたくなるような状況になるのがこの感染症」と指摘した。

 「全国の感染状況は一様でない。イベントや学校の休校など全部やめるわけにはいかない」と自粛の緩和を求める意見もあったという。提言では地域の判断で学校の再開も否定していないが、クラスター(感染者の集団)を起こしやすい三つの条件を徹底して避けることを強調。その上で尾身さんは学校の再開やイベントの開催について「おかしいと感じた時には途中で中止を」と訴えた。 (井上靖史、森耕一)

(東京新聞)

専門家会議を終え記者会見する尾身茂副座長(手前)=19日夜、東京・霞が関で(芹沢純生撮影)

専門家会議を終え記者会見する尾身茂副座長(手前)=19日夜、東京・霞が関で(芹沢純生撮影)
 

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