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【社会】

<東京2020>東京五輪延期なら… ポスト選手村、補償問題に? 分譲・入居遅れ懸念

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、今夏の東京五輪・パラリンピックの開催が危ぶまれている。延期の場合に問題となるのが選手村だ。大会後にマンションにリフォームされ、二〇二三年春には入居が始まることが決まっているためで、スケジュールの遅れや補償問題が懸念される。一帯では学校や商業施設など約一万二千人が暮らす街づくりが計画され、混乱が及ぶのは必至だ。 (岡本太)

 東京臨海部の中央区晴海地区で完成間近となった選手村。二十一棟の宿泊棟などから成り、大会期間中は最大約二万六千人の選手らが過ごす。

 「延期した場合、選手村を予定通り使えるのか。補償問題になりかねない」。大会関係者がため息をついた。「かといって『他の施設で』ともいかない」

 選手村の建物は、大会終了後まで東京都が開発業者から借り、今年末には返還期限を迎える。

 業者は来年から、分譲マンションへのリフォーム工事に入り、二三年三月には入居が始まる。もし大会が一〜二年延期されると工事もずれ込み、入居開始が遅れるのは確実とみられる。

 第一期の約八百九十戸の販売は終了している。当初のスケジュール通り入居できなくなれば、補償問題に発展する可能性も。今月末には第二期販売が始まる予定だが、大会の開催時期がぐらつく状況では売れ行きに影響が出かねない。三井不動産の担当者は「現時点で影響についてはお答えできない」と口をつぐむ。

 選手村一帯は最終的に、総戸数五千六百戸超、人口約一万二千人の新たな街「晴海フラッグ」に生まれ変わる。地元の中央区の人口が一割増えるほどの大規模開発だ。区は小中学校を新設し、二三年四月に開校予定だが、選手村の食堂(メイン・ダイニング)跡地に校舎を建てるため、大会が終わらなければ着工できない。また商業施設は、選手村の別の食堂(カジュアル・ダイニング)を改装する計画になっている。

 仮にマンションが当初予定に間に合っても、生活環境が整わなければ、住民生活に大きな不便をもたらすことになる。

 区の担当者は「延期になれば影響は避けられない。ただ、検討はまだ何も…」と言葉少な。大会組織委員会関係者も「中止よりは延期が良いが、課題は山積みだ」と漏らしている。

<晴海フラッグ> 東京都中央区の約18ヘクタールの敷地で進む開発プロジェクト。三井不動産レジデンシャルなど11社が、都から払い下げを受けた土地に分譲・賃貸マンション計23棟を整備するほか、都や区などが小中学校、商業施設、保育施設、公園、バス高速輸送システム(BRT)のターミナルなどを設ける。分譲マンションは約5000万円〜2億円超。銀座や東京駅に近く、海に三方を囲まれたロケーションが人気で、これまで893戸に2220件の購入申し込みがあった。

(東京新聞)

完成間近の選手村。大会後は新しい街「晴海フラッグ」に生まれ変わる=東京都中央区で、本社ヘリ「おおづる」から(安江実撮影)

完成間近の選手村。大会後は新しい街「晴海フラッグ」に生まれ変わる=東京都中央区で、本社ヘリ「おおづる」から(安江実撮影)
 

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