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茨城ニュース

ダブル選の余波 かすむ県政の課題

二つの選挙の候補者ポスターを張る掲示板。投票日を示す色を変え、同じ選挙ではないことを示している=水戸市で

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 県議選は半世紀近く前から十二月に行われている。翌年春の統一地方選の前哨戦と位置付けられ、中央政界からも注目されてきたが、今回は国会が解散し、初めて衆院選とのダブル選になった。各陣営は「県政の課題がかき消されてしまう」と埋没を懸念する一方、「投票率が大幅に上がる」との期待も。十四日の投開票に向け、戦略の練り直しを図っている。 (宮本隆康)

 衆院が解散した十一月二十一日夕方。帰宅ラッシュで混雑するJR水戸駅前で、三選を目指す民主党の現職県議がマイクを握っていた。そこへ、衆院選に出馬予定の元職と、その応援に駆け付けた現職参院議員が到着。すると県議は場所を譲り、黙々とチラシを配り続けた。

 「県議選は埋没している。統一地方選の行方を占う全国でも注目の選挙のはずだったが…」と民主県連の事務局職員。党本部も当初は重視し、海江田万里代表が応援に入る予定だったというが、「来てくれるか、分からなくなった」。

 社民党の県議選候補も嘆く。「国政と直結する県政の課題もあるが、県の福祉施策や、市町村を後押しする県行政の課題などは衆院選でかすんでいる。もともと県政の存在は市民から遠いのに、一層見えにくくなった」

 一方、ダブル選の効果として、投票率の大幅アップが見込まれる。県議選はここ過去三回とも50%を下回ったのに対し、衆院選の県内投票率は、前回の二〇一二年が58・85%、前々回の〇九年は67・60%。投票率が10ポイントほど増えた場合の影響を、各党は注視する。

 自民党県連幹部は「相乗効果」を期待する。合同選挙対策本部の設置の際、「衆院の候補と、県議候補が連携しない限り、結果は生まれない」とハッパを掛けた。維新の党も、衆院選候補を立てる茨城3区内に県議選候補を擁立し、やはり一体の運動を目指す。

 戦略を見直す政党も。民主は「県政の課題は吹っ飛び、政党の戦い。政党名を前面に出すよう指示している」。共産党は「県議選だが、安倍政権への批判票を取り込みたい」と意気込む。

 衆院選にあおられる政党の争いを、無所属新人は批判する。「県政は本来、知事と県議が対等な二元代表制。国政とは別のはずだし、政党政治はそぐわない」

 県議選 県議会議長選任をめぐる汚職事件をめぐり、1966年に県議会が解散した影響で、統一地方選からはずれて行われている。12月5日に告示、14日に投開票される。定数63に対し、90人以上が出馬を予定している。