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東京ニュース

短期決戦 走り出す

 衆院が解散した二十一日、総選挙に出馬を予定する人たちが東京の街に繰り出した。前職は永田町から地元へと急いで戻って成果を訴え、新人や元職らは地道なあいさつ回りに熱を込め、前回とは所属政党が変わった人は新たな決意を語った。十二月十四日の投開票まで三週間ほど。二十五の小選挙区と比例東京ブロックの議席をめぐる選挙戦が事実上、始まった。

◆前職 成果をアピール 

 衆院東京3区(品川、大田北西部、島部)の自民前職男性(50)は午後、東急大井町駅前で演説した。バッジを外した紺色のスーツで、名前が書かれたのぼり旗を手に持ち、解散の理由について「(衆院議員の)任期はあと二年。成長戦略を着実に行うには、あと三年必要」と訴えた。演説は二時間以上にわたり、自民の品川区議十一人も加わってチラシを配った。

 前回初当選の23区(町田、多摩)の自民前職男性(33)は早朝から町田市の町田駅前に立ち、短かった一期目の成果をアピール。午前九時半に永田町へ出発し、国会見学に訪れた地元の小学生を迎えた。「議員生活でやり残したことがたくさんある。全力で戦い抜く」と気合いを入れた。

 大臣政務官を務める19区(小平、国分寺、国立、西東京)の自民前職男性(41)は、解散の約三時間前に議員会館で取材を受け、「国民の審判を仰ぐ貴重な機会」と表情を引き締めた。公務もあるため、「できるだけ地元に帰りたい」とスマートフォンのスケジュールを見つめた。

 首相経験のある18区(武蔵野、府中、小金井)の民主前職男性(68)は午後六時からJR三鷹駅前で演説。今回の解散に「野党がバラバラのうちに選挙をして自公で過半数を取り、信任を得たと主張したいのが本音だ」と切り捨てた。

 21区(立川、昭島、日野)の民主前職男性(52)は午後五時から、JR立川駅前で訴えた。朝に駅前で演説した時の通行人の反応は鈍かったと言い「投票率が心配。もう一度政治に期待をもってもらえる選挙にしたい」と力を込めた。

◆元職 復帰のチャンス

 24区(八王子)で返り咲きを狙う民主元職男性(58)は「大義なき解散だが、復帰のチャンスが早く来たと前向きに考える」と語る。今月に入って駅頭で毎朝演説しており、この日は民主市議団と京王堀之内駅に立った後、街宣車で市内を回り、夕方はJR西八王子駅でマイクを握った。安倍首相の経済政策を「うまくいっていない」と批判。「安倍政権の暴走を止めるため、自民の独り勝ちを許してはいけない」と訴えた。

 2区(中央、文京、台東)の民主元職男性(69)は、文京区を拠点とする前都議と区内の団体をあいさつ回り。「前回は不安がられたが、今回は『応援している』と声をかけられた」と手応えを感じている。台東区内の事務所には「常在戦場」と書かれた額を置き、四月から準備を進めてきたという。

 前回落選した10区(豊島、練馬南東部)の民主元職女性(54)は「政治とカネの問題が出て大臣が二人辞め、政権がリセットするための解散。国民に信を問うなら、集団的自衛権行使容認の時もそうすべきだった」と批判。この二年間、地元を地道に回り、住民の声に耳を傾けてきた。「与野党が伯仲して議論すべきなのに強引な国会運営を許している。その場にいないのが悔しい」と雪辱を誓った。

◆政党替え 野党結集前面に

 15区(江東)の維新前職男性(43)は、前回衆院選で所属していたのは、みんな。その後、結いを経て維新に合流したため、有権者に「今、何党なの」と聞かれることもあるという。

 党政調会長として党務や他候補の応援に追われる。午前は党の会合に臨み、解散後は有楽町駅前で党幹部の街頭演説に参加した。午後四時すぎにようやく地元入り。「自分の選挙に専念できない」と不安がる。同選挙区では前回候補を立てた民主、生活が今回は擁立を見送り、共産を除く野党の「共闘」が進むが、「党に頼らない選挙をしていかなくては」と気を引き締めた。

 9区(練馬中西部)で返り咲きを目指す元職男性(48)は午前、所属していた生活の党に離党届を出し、維新から公認を受けた。「政権交代を実現させて意義ある選挙にしたい」。解散から一時間後、西武池袋線練馬駅近くでマイクを握り「野党勢力を結集した統一候補として立候補する」とアピールした。

 二〇〇九年の衆院選で民主公認で初当選したが、前回議席を失った。「二回連続で負けるわけにはいかない。何が何でも(議員)バッジをつけなくては」

 14区(墨田、荒川)で返り咲きを目指す元職男性(43)は、生活の党を離党し、現在は無所属。野党統一候補としての出馬を目指す。この日朝、都営大江戸線両国駅前に立ち、安倍政権の経済政策を「身を切る改革を示さずに消費増税に踏み切った」と批判し、「二〇三〇年をめどに原発に依存しない社会をつくる」などと訴えた。

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 12区(足立西部、北)では、前回衆院選で都内小選挙区で共産最多を獲得した新人女性(32)が北区のJR赤羽、十条両駅前で「消費税増税は先送りではなく、中止に追い込んでいきましょう」と声を張り上げた。

 同じ選挙区の公明前職男性(69)も、国土交通相の公務を終えて地元入り。赤羽駅前に立ち「今回は自公連立政権にもっと頑張ってもらおうという、信任をいただく選挙。『もう一層頑張れ選挙』だ」と支持を訴えた。