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【東京通】

<地名編>陣馬高原(八王子市) 観光のため『場』から『馬』へ

2008年6月16日

陣馬高原の山頂に建てられた白馬像=八王子市で

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 神奈川県との都県境にある陣馬高原。地図を眺めると、不思議なことに気付く。高原名は「陣馬高原」で、陣馬高原近くまで続く都道は、通称「陣馬街道」。しかし、都立公園の名称は「高尾陣場自然公園」だ。この山は「陣馬」なのか、「陣場」なのか。

 「今は、知っている人も少ないだろうけど、もともとは『陣場』です」。六十年ほど前から山頂で「富士見茶屋」を経営する大木好冨さん(88)が教えてくれた。

 大木さんの話や周辺自治体の史料によると、北条氏と武田氏が対陣したため、「陣張」が「陣場」になったなど複数の説があり、由来ははっきりしない。しかし、いずれも元の呼び名は「陣場」が正しいようだ。

 「陣馬」が見られるようになったのは、戦後に入ってから。一九五〇年代に、観光地として開発しようとした京王帝都電鉄(現・京王電鉄)などが、「場」より「馬」の方がイメージがいい、と名前を変えたという。

 白馬像も観光戦略の一つ。像の設置も手伝った大木さんは「京王帝都電鉄から『武田信玄の白馬が、富士山の方を眺めている姿をイメージした』と聞いた」と明かす。それもいつしか「馬の像」のイメージだけが先行し、「陣馬」を後押ししたという。

 すっかり定着した「陣馬山」だが、都立公園の名称は「陣場」のまま。都多摩環境事務所は「六六年ごろ、自然公園に指定する際、地元から『陣場』が正しい、との意見があったようだ」と説明。当時からの申し送りを引き継いでおり、名を変えるつもりはないという。

  (布施谷航)

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