電気自動車(EV)の販売が国内で急拡大している。2026年度上半期(4~9月)の乗用EV(軽自動車含む)の販売台数は7万台を超え、前年同期の2・5倍に達した。ただ、大幅に増額された国の購入補助金に後押しされた「特需」ともいえ、日の丸EVの地力はまだまだだ。将来は世界の自動車市場の中核になり得る分野だけに、優遇策に頼らず勝負できるよう、日本メーカーには価格面や性能面での奮闘を望む。
国の補助額は、航続距離や充電インフラ整備といった評価項目に応じて車種ごとに決められる。4~9月の販売が好調だったのは、補助額が多い車種に集中した。
最も多く売れたのはトヨタ自動車の「bZ4X」で、前年同期の88倍となる1万4448台。本体価格は480万円からと高いが、補助額は1月に40万円増え、上限の130万円が適用される。
自治体も独自にEV購入の補助制度を設けている。東京都では国の制度と併用すれば、合計で最大260万円が助成される。
あまりの手厚さに、各地で申請が急増。国は来年1月以降、補助額を現行の6~8割程度に抑えることを発表した。
とはいえ、4~9月の乗用車全体の販売台数のうち、EVの比率は3・7%にとどまる。国内ではハイブリッド車(HV)が圧倒的に強く、EVは割高な車両価格や短い航続距離が敬遠されている。米国では化石燃料派のトランプ大統領による政策変更で失速気味だが、欧州各国や中国は堅調で、日本はかなり後れを取っている。
メーカーの姿勢も積極的とはいえない。ホンダはEVに傾注した経営戦略が裏目に出て初の赤字に転落した。トヨタは元々、EVやHVを含め多様な選択肢を提供する「全方位戦略」を進める。
充電インフラの整備も課題だ。経済産業省によると、国内に設置された充電設備のコネクター数は25年3月時点で6万8千口で、30年に30万口の目標達成はハードルが高い。商業施設や賃貸の集合住宅での設置数は伸びているが、合意形成が必要な分譲の集合住宅では思うように進んでいない。
注目は、地方で人気が高い軽自動車の新型EVが相次いで発売されていることだ。都市部とは違って地方は一戸建て比率が高く、自宅に充電設備を設置しやすい。普及への足掛かりになり得よう。
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